今も偏見はつきもののようですが
この時代ならごくあたりまえの考え方。
でも、作品では悲愴感や暗さはなく、逆に軽妙に描くことで
その背景がより強調されて見えてくる。
映画では、オールロケで描かれるイギリスの
美しい田舎町の風景が心を満たしてくれますが
ただ、まず考えることは「娘ばかり5人」って
大変だろうなぁ、ということでしょうか。
今考えてみると、父親の目で観ていたかもしれません。
「自分の娘が幸せになるなら、相手は誰でもかまわない」
娘エリザベスの決断を聞いて父親はこう答える。
偏見に蝕まれた時代や社会への反骨であったのか
それともそれがあたりまえと考える妻への戒めであったのか。
その辺りの心理を見事に描き出しているこんな作品には
最近あまり出会っていないような気もして
なんとも心地よい。
“結婚”とは、「自分の本当の心を見つけること」
原作者が伝えるこのメッセージは
実は、誰しもが心の中に秘めている
今も昔も変わらない素直な心情のような気がします。
この映画を観た人は一様に、最初はエリザベスを応援し
相手のダーシーを毛嫌いしながらも
最後にはこの二人に共感さえ覚えていたかもしれません。
一見女性のための映画のように見えますが
決してそうではないようです。
(上映時間:2時間7分)製作国/イギリス
■作品評価(5つ・・・秀作です)
作品では、“結婚”後の“夫婦”については
両親を通してしか語られてはいません。
きっとこんな言葉を描いているはずです。
「忍耐」「努力」「辛抱」「諦め」・・・。
私なら、きっとこの言葉を選びます―「思いやり」
そして、いつまでもそうありたいと・・・。
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最近はCG全盛の映画が多くて少し食傷気味の方もいるかもしれません。
公開初日ということで、もっと観客も多いのかと思っていましたが異常に少なかったのは残念ですが、
久しぶりに観た秀作のような気がします。
今のハリウッドでは、まず創れない作品ですから、
今年はヨーロッパに期待?したほうが
いいかもしれません。